土地を相続するときに知っておきたい造成費などの取り扱い方

相続19

土地を相続した後、どのように使うかは人それぞれです。自分で家やマンションなどを建てて住む人もいれば、賃貸をして稼ぐ人もいます。中には相続した土地を売り払ってお金にしようとする人もいますが、売るときには譲渡所得税が発生するので注意が必要です。

その際に土地の取得に関連して発生した造成費などがどのように取り扱われるのかを知っておきましょう。

土地を売るときには譲渡所得税がかかる

土地を相続してから売りたいと考えている人は譲渡所得税について詳しく理解しておくことが大切です。相続する時点で多額の相続税を納めなければならないのが通例ですが、売ろうとしたときにはさらに税金が発生するので注意しましょう。

土地の取引をするときには契約書を交わすので印紙税がかかります。また、もし何かの抵当に入っている土地を相続してしまったときには抵当権を抹消するための登録免許税も納めなければなりません。ただ、このような税金はそれほど大きな金額にはならない場合が多いでしょう。

売るときに発生する可能性がある譲渡所得税と住民税が実はかなり高くなる場合があるのです。譲渡所得税とは土地や住宅などの不動産を売るときに発生する税金で、売却により得られた利益に対して課税されます。ただ、売却金額の全額が利益とみなされるわけではありません。

土地を買ったときにかかった費用や、売買のために必要になった費用については損失とみなされ、売却金額から差し引くことが可能です。購入のときにかかった費用は取得費、売却時に必要になった費用は譲渡費用とされています。

これらを引いた金額に対して税率をかけることにより譲渡所得税が決定されます。売るときにはどのくらいの金額になるかを見積もっておいた方が良いでしょう。

税率について知っておきたいこと

譲渡所得税の税率は所有期間によって異なります。所有期間が長いほど税率は低くなっていて、譲渡所得税と住民税を合わせると20%程度になります。5年が境目になっていて、5年以下の場合には短期譲渡所得とみなされ、税率はおよそ40%です。

売却によって実質的に得られた利益の6割しか手元に残らないという計算になります。高く売れたのにほとんど税金で持って行かれてしまったということになるケースは多いので気をつけなければならないでしょう。売ろうとしたときに後少しで所有期間が5年を超えるのなら少し待ってみることも大切なのです。

ただし、相続した土地の場合には大抵は長期譲渡所得になります。相続してすぐに売るというケースであっても長期譲渡所得になることが多いでしょう。相続した土地の所有期間は元々の所有者が持っていた期間と合わせることができるからです。

親から相続した土地を、親が5年以上持っていたなら相続してすぐに売っても長期譲渡所得と見なされ、税率は低くて済みます。とはいえ、20%も税金として納めなければならないのは大きいでしょう。いかにして課税対象となる金額を減らすかが重要なのです。

取得費をできるだけ大きくしよう

課税対象となる金額を減らして利益を大きくするには取得費をできるだけ大きくするのが大切です。売却金額から差し引けるものの中で、唯一努力次第で大きくできるのが取得費だからです。土地を購入するのにかかった費用は既に決まっているので今からどうすることもできません。

譲渡費用については土地の売却をするときに発生してしまう費用です。余計にかけてしまったらそれだけ損をすることになり、税額が減ったとしてもあまりメリットはないでしょう。取得費については計上できる項目をたくさん見つければそれだけ課税対象額を減らせます。

そのため、取得費に着目して節税を目指すのは合理的な方法なのです。

取得費を増やすには

取得費を増やす上で重要なのは、証拠書類があることです。土地を購入して使えるようにするために必要だった費用はすべて取得費として計上することができます。しかし、その金額が明確にわかる領収書や契約書などが残っていないと認めてもらえないのです。

あまりに昔のことなので書類が残っていないということもあります。ただ、何か費用が発生したという事実さえ知っていれば、その当時やり取りをした不動産会社などが情報を残していることもあります。その情報を網羅的に集めれば取得費を大きくできることもあるのです。

造成費用は取得費に計上できるものなので調べてみた方が良いでしょう。もともとそのままでは使えない土地だから造成して費用が発生したというケースでは全額を取得費に入れられます。地価によっては造成費用が土地の購入価格の半分近くなることもあるので、そのような事実がなかったかを調べてみる価値があるのです。

もし当時工事をしてくれた業者を見つけられれば、領収書などが残っていなかったとしても金額を示す書類を用意してくれるでしょう。土地を相続して売ることを考えているなら、造成した土地なのかどうかはできるだけ早めに確認しておいた方が無難です。

このように取得費に計上できる費用は造成費だけではありません。土地を購入するときに測量をしたなら測量費用も計上できます。もし土地の購入に際して訴訟があったという場合には訴訟費用も取得費にすることが可能です。

建物付きの土地を購入したときに、最初から建物を取り壊す予定だった場合には解体費用も取得費になります。このように色々な取得費を見つけるといつの間にか課税対象額が小さくなっているかもしれません。どんな事実があったかは土地を買った本人でないとわからないので生前に詳しく話を聞いておくことが肝心なのです。

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取得費を大きくするためのもう一つのコツ

取得費を大きくするためには証拠書類が必要なので、うまく揃えられないとあまり大きな金額にすることはできません。もし売却金額の5%に満たないようであれば、みなし取得費を適用しましょう。相続したときを代表として、購入当時の書類がなかなか見つけられないことはよくあります。

先祖代々引き継いできた土地ともなれば何も書類がないこともあるでしょう。造成したという事実があったとしても、造成費がいくらだったのか想像もできないような昔のことということもあります。そのような際に、一律で取得費を売却金額の5%とすることができるのです。

どちらを選ぶかは自由なので、計算してみて5%に届かないならみなし取得費を適用しましょう。