相続のときに行われる遺産分割調停とは?

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誰かが亡くなったときには故人の持っていた財産などを分配する相続が行われ、誰がどのような財産を貰うのか決めるために遺産分割協議をします。話し合いをしてもなかなか決まらず、話し合いの途中でトラブルが起きてしまったときには、遺産分割調停を利用するのです。

そこで遺産の分配を決めることが出来る遺産分割調停について紹介します。

遺産分割調停とは?

故人が生前残していた遺言や遺言書があればその内容に従って財産分与が行われますが、遺言や遺言書が残されていない場合は相続人全員が集まって相続の話し合いをします。話し合いをして相続財産の細かな分配を決めるのです。

必ず話し合いは相続人全員でする必要があり、一人でも拒否をしてしまうと話し合いにはなりません。また話し合いをしてもまとまらなければ遺産分割協議が成立したことにはならないのです。このように相続人が集まって話し合いをしても決められないときに利用するのが、遺産分割調停です。

家庭裁判所に調停を申し立てると話し合いの場が設けられるので、解決の糸口となります。

遺産分割調停の申し立て

遺産分割調停を利用したい場合には、家庭裁判所に遺産分割調停をしたいということを伝えます。家庭裁判所に遺産分割調停申立書を提出すると裁判を申し込んだことになるのです。申立書の他に非相続人全員分の戸籍謄本や除籍謄本も提出します。

書類を提出する家庭裁判所は他の相続人の住所地の裁判所です。申し立てには手数料も必要で、非相続人一人につき、1200円となっています。お金は収入印紙で収めて、さらに数千円分の郵便予納切手も用意しておきます。

申立書など必要書類を提出すると調停の第一回の期日が決定し、裁判所から書類が送られてくるので中身を確認する流れです。

調停の流れ

家庭裁判所に申し立てをすると、対象となる相続人全員に呼び出し状が届きます。呼び出し状には第一回の調停の期日が記載されており、その日に全員が家庭裁判所に集まることになるのです。第一回の調停では申し立てをした本人と他の相続人は別の部屋で待機し、順番に調停委員が居る別室に呼ばれます。

そこで一人ひとりの財産分与の考え方やその人の意見を聞き、他の相続人に伝えられます。さらに相手方の意見に対して反論があれば、自分の意見を述べるシステムです。調停委員がお互いの意見を聞きながら仲介するので、激しい言い争いなどが避けられるのがメリットです。

第一回の調停はほとんどの場合数時間で終わってしまいますが、話し合いをしてもまとまらなければ次回に持ち越されます。次の回でまた話し合いをして合意しなかった場合は、第三回目の調停が開かれるのです。調停の回数に制限は設けられていないので、お互いが納得するまで話し合いが出来ます。

場合によっては1年以上、もっと時間を掛ければ2年間の話し合いになることもあるのです。

調停が成立した場合と不成立の場合

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遺産分割調停をして相続人の意見がまとまると、調停は成立したことになります。

調停が成立すれば相続人全員が一つの部屋に集められて、裁判官から合意内容が伝えられるのです。合意した内容に間違えがなければ、そのまま調停調書の作成となります。

調書はその場で貰えるのではなく、後日自宅に郵送で届けられる仕組みです。調書が自宅に送られてきたら預金の払い戻しや登記の手続きが出来るようになるので、相続人が必要に応じてそれぞれ手続きをします。誰かが故人の遺産を所有していて相続人に分配する必要があるのに拒否したとしても、調書があれば強制執行をすることも可能になるのです。

相続の手続きを弁護士や司法書士などのプロに依頼するときや、法務省や銀行などで手続きをするときには調書を持って行きます。そして話し合いを何度も行って同意が得られず、調停が不成立となってしまったときには遺産分割審判に移ります。

調停から遺産分割審判に移るときには、調停を行ったときのように申し立てをするのです。申し立てをすれば相続人全員に遺産分割審判になること、審判が行われる日時などの通知が来ます。調停と同じように審判でも回数の制限はなく、お互いが納得するまで争うことが出来るのが特徴です。

長くなったケースだと3年以上審判に費やしたケースもあります。

調停を有利に進めるためには?

遺産分割調停では相続人が裁判官に自分の意見を述べ、それらをすり合わせて裁判官が分割方法などを提案したり、妥協点を探したりします。あくまでも相続人の意見を照らし合わせて問題を解決することを目的なので、100%自分の意見を通すことは不可能です。

ですが調停に携わるのは感情を持っている人間なので、相手の心に訴えかけるなどすれば自分に有利に進められる可能性がアップします。まず大事なのは、感情的にならないことです。財産分与はお金に関わる内容がほとんどなので、必死になってしまうときもあります。

感情的になって怒鳴ってしまったりすると、印象が悪くなるのであくまでも冷静さを忘れないようにします。相手側が理不尽な主張をしてきても怒らずに、落ち着いて自分の意見を述べるようにすると印象も良くなるのです。

マナーを守ることもポイントで、調停に呼ばれたときにはきちんと挨拶をし、部屋に入るときにはノックを、退出するときには一礼をするなどします。大人としての最低限のマナーは守り、好感度を上げておくのも賢いやり方です。

また裁判官の発言に気に食わない部分があっても決して悪口などは言わず、反論するときには理論的に話すようにします。身なりも出来るだけ清潔にして、相手が不快にならないように注意します。財産を隠したり、自分に不利益になる情報を隠していると不利になってしまうこともあるので隠し事はしないようにすることも重要です。

他の相続人よりも多く財産を貰いたいからといって隠していると後で発覚したときにトラブルの原因にもなりますし、なにより裁判官の心証が悪くなってしまいます。不利益になることでも正直に話し、素直に調停に挑むことが有利に進めるコツです。

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弁護士に同行して貰う

一人で調停に挑むのは不安なときには、弁護士に依頼することも可能です。調停は相続人本人の出席が義務付けられていますが、弁護士などの代理人と一緒に出席することも認められています。自分の意見を述べるのが苦手な人や、専門的な知識がないときなども便利です。

弁護士なら何度も調停を経験していて慣れていますし、法的な知識もあるので的確なアドバイスをしてくれます。